私たちが好んでモチーフに用いる柄の一つに椿があります。
椿は本来、とても縁起のいい木とされてきました。
正倉院にはツバキの枝で作った卯杖(邪気をはらう杖)が納められるなど霊力の高いもので正月に神を迎えるために椿を用いる地域もあります。
最高の吉祥木として平安貴族の間では「高貴な花」「聖なる花」として扱われてきた一方で、お江戸の一部武家社会の中では花が首からぽとりと落ちることから縁起が悪い花と扱われました。
それが幕末期に全国に広がり縁起がわるい花という迷信が生まれました。
茶花の中でも最高のご馳走として床の間に活けられる椿、縁起がわるいはずありません。
椿には「厄除け」の意味もあり、本来は縁起物。
道開きの神様として有名な鈴鹿の椿大神社は仁徳天皇の御代、御霊夢により「椿」の字をもって社名とせよとの神託から椿の字があてられたそうです。
源氏物語の若菜の巻で花言葉蹴鞠の穢れを祓うため、椿餅を食する場面もあります。
本来の意味合いは「永遠の美」「気取らない美しさ」「申し分のない魅力」というもので、縁起の悪い意味は一つもありません。
古くは「松竹梅」の代わりに「松竹椿」が縁起のいい花として用いられた例もあるそうです。
いけばなでは古い時代から用いられ忌み花とされた記録はありません。
奈良の東大寺には、7世紀孝謙天皇が破邪の儀式にて使ったツバキ製の卯杖が宝物としてあるそうで破邪の儀式は現在も各地の神社で神事として伝えられているなど、日本人にとって最も馴染みの花。
そんな椿の花言葉ですが
「控えめな素晴らしさ」「気取らない優美さ」があてられてます。
それぞれの椿の花の色の花言葉としては
○赤の椿の花言葉は「控えめな素晴らしさ」「謙虚な美徳」
○白の椿の花言葉は「完全なる美しさ」「至上の愛らしさ」。
○ピンクの椿の花言葉は「控えめな美」「控えめな愛」
英語
Camelliaの花言葉は「admiration(敬愛、感嘆)」「perfection(完全、完璧)」だそうです。
これからも椿モチーフ追求してまいります。
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