· 

17.花押の時代?

 

新型コロナは様々な変化をもたらしております。

 

金融や行政機関は判子文化の終焉の様子。

 

サインはもちろんのことこれからは花押の時代なのかもとふいに訪れた大石神社の石碑の花押(頭山満先生のもの)を観て思いました。

花押(かおう)は千二百年以上続く日本独自のサイン。

その人を現す署名のことだそうです。

 

これから一億総花押の時代!と声高に叫ぶような話じゃないかもしれませんが。

捺印がこれまでの常識なら署名のあとにハンコのようなものが欲しい。とすれば花押があってもいいのではという考え方。

 

判子いりません、ということなら日本には花押がある。

そんなわけで勝手に「花押」推し。

 

茶の湯やっていらっしゃる方は歴代宗家のご面々の花押を参考にも出来るかもしれませんし、サインの延長として自分の花押これから作ると良いのかもと思ったりもしております。

 

欧米の方のサイン文化にも自身のサインを日本の花押のようにデザイン化したものをタイプライターで打ち込んだ書面に署名として記したものが契約書などに正式に使われていることからもその導入は問題ないはずで参考にも出来るかと思われます。

 

その一方で差別化するためにも作家や看板を掲げる人にはこれまで以上に落款印が必要になるのかもしれませんね。

もちろん蓄積された印影や印顆はデータベースに2つのパスワード的に残るはずでハンコ文化全面廃止ということではありません。

 

天皇家、貴族、空海などの僧侶や源頼朝、足利尊氏、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康、千利休など大名、歴史上の人物たちのみならず江戸時代には庶民も花押を使用していた花押は密書の署名、富を分配するときに必要な署名として活躍したサインで現代においては茶道、華道の家元など一部にしか使用されておりません。

 

花押の作り方は様々、生年月日から割り出した陰陽五行に基づく作り方もあるそうです。

調べていくと時代により流行の形があり禅僧の花押は直線や丸を組み合わせたシンプルなデザインが多く戦国武将の花押は個性的で力強い。

生き様や美学までもが見えるところに「花押」のロマンがあります。

 

花押の書体には草名体、二合体、一字体、別用体、明朝体があります。

 

○草名体

本名や芸名、自分の名前から作る。

 

○二合体

名前、雅号、家号、苗字などから気に入ったものを選んで組み合わせて崩した書体

 

○一字体

名前とは全く関係なく、自分の好きな縁起の良い文字を選んで花押とした書体

 

○明朝体

歴代徳川将軍家が取り入れたのが明朝体

 

それらを踏まえて初チャレンジです。

 

戴き物のお酒の桐箱に試し書き。

 

花押の書体の草名体、二合体、一字体、別用体、明朝体があるそうでとりあえず草名体かと思われるやり方で創作してみました。

 

難しく考えず、自分が芸能人、有名人になったつもりの色紙サインを考える!企業さんなら自社のロゴの延長を個人が書けるものを取り入れて考える、というのも良いのかもしれませんね。

 

デジタルにすれば印影も花押もそう違わないような気がしますし…

 

スマホ認証システムが顔認証の時代なので逆行する話かもしれませんが花押について考えてみました。

 

 

 

 

※コロナ禍の社長の考察からのBLOGをお読みくださった皆様へ

花押についてはより専門的な考証が必要との考えから現在は受付を控えております。

お問い合わせくださった皆様ありがとうございました。2023.4.10